近年、自社サイトに「動画コンテンツ」を取り入れる企業が増加しています。PR活動はもちろん、人事採用や、製品・サービスの解説など、様々な目的に応じた動画コンテンツが公開されています。

今回は、企業のPRとして動画コンテンツを検討中の方に向けて、動画コンテンツが効果的な理由や制作時のポイント、成功事例について詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

企業PRに動画が効果的な理由

企業PRに動画コンテンツが効果的な理由については、下記の3点が挙げられます。

動画の視聴が身近になった

動画コンテンツが急成長した最大の理由は、スマートフォンやタブレットの普及により、動画視聴が身近な存在になったことです。総務省が発表した平成30年版情報通信白書によると、パソコンの世帯保有率は72.5%であるのに対し、スマートフォンは75.1%と上昇しており、パソコンの世帯保有率を上回っています。

〈参照〉平成30年版情報通信白書(ICTサービスの利用動向)/総務省

手軽な端末で高速通信が可能となり、移動中などの”隙間時間”に動画を視聴するユーザーが急増しました。YouTubeやニコニコ動画など、動画共有サイトも数多く登場しており、日常的に動画が視聴されていることがわかります。

また、シニア層においても、スマートフォン・タブレットの利用率は年々上昇しており、動画コンテンツの視聴経験も増えてきています。性別・年齢問わず、動画視聴が生活に身近な存在になっていると言えるでしょう。

短時間に多くの情報を伝えられる

動画コンテンツは、短時間で多くの情報を伝えることが可能です。YouTubeなど動画共有サービスで流れる広告動画がいい例です。10〜20秒と言う短時間の間に、コンバージョン(目標)を達成するよう計算されたプロットが組まれています。

また、「画像を見て判断する」「文章を読んで理解する」といった”負担”をユーザに感じさせないため、ストレスなく情報を伝達することができるのです。

印象に残りやすい

動画コンテンツは、文章・画像などの静的コンテンツに比べ強い印象を残します。その理由は動画コンテンツが持つ「表現力」にあります。

画像や文章では、商品・サービスに対して断片的な情報しか伝えることができません。音や動きが伝わらないため、ユーザーの”想像力”に委ねる割合が大きく、離脱してしまうケースも珍しくありません。

これに対し動画コンテンツでは、実際の利用シーンを見せることで、メリットを的確に伝えることができます。商品・サービスに対して具体的で強い印象を残し、問い合わせや申し込みといった行動を起こすきっかけとなります。

PR動画を成功させるポイント

続いて、PR動画を成功に導くポイントについて御紹介します。

ターゲット層を明確にする

動画コンテンツを制作する際は、まず「ターゲット層」を明確にしましょう。

動画制作に費用と労力がかかる分「多くの人に見てもらいたい」と考えがちですが、これは間違いです。動画に対する印象は年齢や性別、社会的背景によって大きく異なります。万人受けのコンテンツなど存在しないのです。

どの層をターゲットとしたサービス・製品なのかを事前にきちんと確認し、その層に向けた動画を制作するようにしましょう。

最初の5秒で心を掴む

動画コンテンツでは「最初の5秒」が肝心です。静的・動的問わず、ネットコンテンツは気軽にアクセスできる反面、離脱しやすいという短所も持ち合わせています。最初の5秒で「つまらない」と判断すれば、ユーザーは最後まで視聴せず離れてしまうのです。

例えばTwitterなどのSNS動画は10秒以下のものが多いですし、YouTubeの広告動画も5秒後にはユーザーの任意でスキップが可能です。最初の5秒でユーザーの心を掴まなければ、目的としている行動に誘導することは難しいでしょう。

オリジナリティとアイディアが必要

制作した動画コンテンツを最後まで見てもらうためには、「オリジナリティ」や「アイディア」が欠かせません。

  • 専門的なCGグラフィック
  • 感動的なストーリー
  • 影響力を持つ著名人の出演

このようなオリジナリティを盛り込み、PRするサービス・製品を利用することで得られるベネフィットを端的に伝えましょう。さらに、視聴したユーザーが思わずシェア(拡散)したくなるようなコンテンツであれば大成功と言えるでしょう。

企業PR動画の成功事例

次に、PR動画の成功事例をご紹介します。どの動画もオリジナリティがあり、最後まで飽きさせない構成となっています。

スカルプDのCM動画

〈引用元〉https://www.youtube.com/watch?list=PL617D-j_ZPXJnrqCljR-8BhAyOHuk8fF6&v=6PtUv4KGtc4

スカルプDのCM動画にYouTuberのヒカキン氏が出演した動画です。強烈な印象を残し、CM動画であるにもかかわらず65万件以上の再生回数を記録しています。

Dirt Devil 商品PR動画

〈引用元〉https://www.youtube.com/watch?v=aGb8pMIeY6w

海外の掃除機メーカー「Dirt Devil」社のPR動画です。冒頭から中盤にかけて、本格的なホラー映画を彷彿させる映像が続き、PR動画であることを感じさせないクオリティとなっています。

最終的に、自社の掃除機の性能をPRしていますが、そのユニークさで最後までユーザーが離脱しない構成となっています。

企業PR動画を制作する方法

最後に企業のPR動画を制作するための方法についてご紹介します。

アプリやソフトを使用する

動画コンテンツは初心者でも制作することが可能です。無料のアプリ・ソフトも多く登場していますし、それらのノウハウ記事も充実しています。制作経験が全く無い方でも、これらを使用して作ることができるでしょう。

しかし、”ユーザーに好まれる動画”を制作するためには、一定の経験が必要となってくるでしょう。すぐに成果を求めるのではなく、継続的に動画コンテンツを制作しトライ&エラーを繰り返していくことが大切です。

フリーランスに依頼する

クラウドソーシングサービスを利用し、フリーランスのクリエイターに動画制作を依頼することもできます。制作会社に比べ安価な費用で依頼できるので、コスパを重視する場合はおすすめです。

フリーランスへ依頼する場合は、制作実績や得意分野をよく確認しておくようにしましょう。企画・制作・編集など動画制作に必要な作業全てを1人で対応している場合、依頼主が希望するレベルの動画制作が難しいケースも考えられます。制作の意図や目的をしっかりと伝え、希望する内容で依頼が可能か依頼前に確認しておくことが大切です。

プロである制作会社に依頼する

動画制作を専門に行う制作会社に依頼する方法が一番確実です。制作会社では企画・撮影・編集など各分野のエキスパートが集結していますので、安心して任せることができるでしょう。コストはかかってしまいますが、動画コンテンツに欠かせないオリジナリティやアイディアの面から考えても、専門家の提案を受けられるというメリットがあります。

制作会社に依頼する際も、制作実績や得意分野の確認は忘れないようにしましょう。

まとめ

動画による企業PRは大きな効果が期待できます。スマートフォンの台頭に伴い、閲覧者は急増しています。ユーザーにとってストレスの少ない動画コンテンツでの情報伝達は、今後さらに拡大していくでしょう。