BGMは、動画制作の完成度を高めるために必須の要素です。その理由はBGMをうまく活用することで、動画を視聴する人が受ける印象をコントロールしやすくなるためです。
ここでは、効果的にBGMを使うための選び方を確認していきます。また、知識がないと失敗してしまうことがある、著作権についても確認しておきましょう。
目次
動画制作でのBGMの重要性
BGMを使用することは、動画の雰囲気作りに欠かせません。
普段、映像を視聴しているときに、背景で流れている音楽を意識する人はあまりないでしょう。ですが、意識されることはなくても、背景音は雰囲気作りに貢献しています。たとえば映画の音声を0に設定して字幕だけで視聴したとしましょう。すると迫力がまったくなくなり、別の動画のように見えるはずです。
映像の場面にあった選曲をするだけでなく、会話のシーンではBGM音量を下げるなど、適切な雰囲気のBGMをセットすることも大切です。また、BGMと同様に効果音も適度に活用することで、雰囲気をより作り込むことができます。
演出とマッチしたBGMを動画に組み込むことで、映像の魅力をより強く引き出します。
BGMを選ぶ前に確認すべきポイント
動画制作でBGMを使用する際、著作権に関する知識を備えておく必要があります。
知名度が高い楽曲や流行している音楽をBGMとして使いたくなる場合もあるかもしれません。ですが、著作権で保護されている音楽を無断で動画に使用してしまうと、権利者から損害賠償請求をされる可能性があります。使用申請や使用料の支払いが必要です。
ただし、なかには使用許可や使用料がかからない楽曲もあります。クレジット表記などの条件を満たすことで無料で使えるものや料金を一度払うことで無期限に利用できる楽曲もあるので、その種類について確認しておきましょう。
著作権に注意
すべての楽曲は基本的に著作権法などによって著作者の権利が保護されています。
著作権は楽曲が完成した時点で発生するものなので、楽曲の知名度に関係なく権利は保護されます。そのため、権利が保護されている音楽を動画作成で使用する場合は、JASRACなどの著作権管理団体に申請と使用料の支払いが必要です。
著作権の心配をせずにBGMを使用するには、オリジナル楽曲を制作することです。自社で作ったものであれば、著作権は自社のものになるため、自由に使用することができます。ですが、動画を作成する度に楽曲を作るのも大変です。そこで次によく採用される方法は、著作者が利用許諾を行っているBGMを購入することです。動画に使用できる音楽素材として有料や無料で配布されています。
有料・無料の違い
動画に利用できるBGMには、有料で使用ライセンスを購入するものと無料で使うことができるものがあります。いずれの場合でも、加工の有無を許すものかどうか、商用利用を許すものかなど、利用条件をきちんと守らなくてはなりません。
無料BGMを見つけたい場合は、YouTubeの動画やスマートフォンアプリなどでよく利用されているBGMを配信するDOVA-SYNDROME(https://dova-s.jp/)のように、著作権・提供等の表示が不要で使いやすいサイトなどを参考にしてみると良いでしょう。
有料BGMは、幅広いBGMが用意されていることが特徴です。選べる楽曲が少ない場合、特定の楽曲に人気が集中してしまいますが、有料BGMの場合は楽曲の種類が多いため、動画にオリジナリティを加えたいときに役立ちます。PIXTAのように、イメージに合わせて楽曲を探すことができるサービスなどがあります。
参照:PIXTA
商用利用可能かどうか
商用利用が可能であるかについては、特によく確認しておきましょう。1つの制作物あたりに使用できる回数に制限があったり、楽曲作品には使用できないが映像作人には使用できるなど、提供元ごとに規約が異なります。
企業活動として利用するものは、基本的に商用利用を可能としているBGMを利用することになるでしょう。無料と有料いずれのBGMを使用する場合でも、商用利用の可否は熟読してください。
また、有料でBGMを販売しているサイトの場合、個人利用と商用利用で価格が異なる場合があります。規約内容は配布しているサイトや楽曲ごとに違いがあるので、利用する前にライセンスについて確認しておきましょう。
BGMに効果的な曲調やテンポについて
BGMを選ぶ際に、映像との相性を考えることが大切です。動画の目的に合った曲調やテンポのBGMを選ぶことで、視聴した人に強く印象を残すことができます。PR動画や採用動画、いずれの場合でも動画の目的が何であるか定義しておくと、BGMを選びやすくなります。
ここで紹介するBGMの選び方や目的は一つの参考例なので、絶対に正しいというわけではありません。ただし、動画を通して製品や企業を紹介された視聴者が、視聴後にどのような感想を持つのか意識してBGMを選ぶことはどのような場合でも役に立つ考え方です。
PR動画
PR動画では、紹介する製品に良い印象を持ってもらうことが目的です。
たとえば最新の技術を搭載した機械を紹介する動画であれば、近未来をイメージするような電子音楽や神秘的な印象を与えるヒーリングミュージックのようなBGMを選ぶと良いです。紹介する製品が伝統的な工芸品や文化的なものであれば、オーケストラが演奏するクラシックな音楽がマッチしやすいと考えられます。
製品や企業のブランドイメージに合わせたBGMを選びましょう。
採用動画
採用動画では、企業の方針や事業内容に魅力を感じてもらうことが目的となるでしょう。
動画の内容は、社員が働く姿をドラマチックに紹介するものや社員が目標としていることを一言インタビュー形式で紹介するものなどがあります。生き生きとしている働く社員の様子を映す動画であればアップテンポな楽曲を使い、ドキュメンタリー風で紹介する場合は行進するようなミドルテンポなBGMを使うと良いでしょう。
BGMが効果的な動画事例
たくさんの企業がYouTubeや自社サイトでPR動画や採用動画を公開しています。複数の動画を観ることで、動画のイメージを固めたり、方向性を決めたりする参考にすることができます。ここでは参考としてBGMを活用した企業動画を紹介します。
横浜ゴム 「GEOLANDAR X-AT」 プロモーションムービー
SUV用タイヤブランド「GEOLANDAR」の「GEOLANDAR X-AT」を紹介するPR動画です。オフロード感を高めたSUV・ピックアップトラック向けのタイヤということで、力強さを感じるBGMが使用されています。
動画後半の海辺での運転シーンでは、BGMを抑えエンジン音を聴き取らせることでタイヤのパワーを表現しています。商品の解説はなく、映像と音楽だけでのプロモーションとなっていますが、動画全体を通して商品の良さを直感的に感じ取れる内容だと思います。
【JINS RECRUIT 2019】株式会社ジンズ 新卒採用 メッセージムービー
メガネブランド「JINS」は、安定感のあるBGMによる一貫性がある演出が特徴です。2分弱の短い動画なので、BGMを切り替えず効果音も使用していません。働く人の姿やメガネの違いなどに注意が向くよう、シンプルなBGMを採用していることが印象的です。
まとめ
動画作成でBGMを使うことは、完成度を高くするためには欠かすことができません。BGMを利用する際は、著作権を侵害しないように注意し、商用利用可能な楽曲を選ぶようにしましょう。
BGMの曲調やテンポは、PRや採用など、目的に合わせたものを選ぶことが重要です。動画を見終わった瞬間に、見ていた人がどのような印象を持つか想像して、BGMを選びましょう。