会社案内・パンフレットやWEBサイトを制作する際に、イメージ画像は欠かせません。視覚的な表現は、文字では伝えられない雰囲気を伝えられるためとても便利です。

なかでもフリー素材は無料で使うことができるため、予算が限られている制作現場の心強い存在です。

ですが、フリー素材は使用規約が定められていることがあり、いくつかの注意点があります。

気付かずに違反してしまった場合には、罰金が発生したり、社会的な信頼を失ったりといった損失が発生してしまいますから、ここで紹介するフリー素材の使い方をよく確認しておきましょう。

会社案内・パンフレットやWEBサイトでフリー素材を使用する際の注意点

フリー素材を使う際に理解しておくべき基本情報について確認しましょう。

使い方やよくある規約などについて紹介します。

「無料」でも「自由」ではない場合がある

フリー素材は無料で使えるものですが、利用条件が定められていることがあります。条件下であれば無料で使える素材であっても、場合により有償になります。

例えば、フリー素材の提供で知られる「いらすとや」では、有償になる条件として「素材を21点以上使った商用デザイン」と記載しています。

参考:https://www.irasutoya.com/p/terms.html

フリー素材は「無料素材」

「フリー素材」と聞くと、タダで自由に使っていいものと考えてしまいがちです。ですが著作権を放棄している場合はほとんどありません。

「フリー」は自由に使えるという意味よりも「無料」で使えるという名称と考えておくとよいでしょう。たいていの場合、利用条件が定められています。

著作権フリーではないのに、無料で使えるのは何故?

法律的な視点では利用許諾をしているため、フリー素材は著作権を放棄せずに無料で提供されています。

無料で使えるため、利用者自身の所有物と勘違いしてしまいがちですが、著作権はあくまでも提供者が保持しているという点をよく覚えておきましょう。

フリー素材のよくある禁止事項

「公序良俗に反する利用」「素材自体の再販売」といったことはたいていのフリー素材で禁止されています。

成人向けコンテンツに使ったり、フリー素材を流用して有料素材サイトで販売したりといった利用は一般的に禁止されています。

「著作権フリー」と「ロイヤリティフリー」の違い

フリー素材を理解するにあたり「著作権」と「ロイヤリティ」の区別が欠かせません。

どちらが“フリー”であるか誤解しないように、それぞれの意味を確認しておきましょう。

著作権フリー

著作権は素材自体を利用する大本の権利です。著作権を持つ人は、素材を販売したり、無料で提供したりと、自由に著作物を取り扱うことができます。

たいていのフリー素材では著作権が放棄されていません。フリー素材をダウンロードして使うことはできても、著作権を持つ人が定めた範囲以外でフリー素材を使うことはできません。

著作権の保護期間は法律で定められており、国ごとに異なります。

ロイヤリティフリー

ロイヤリティとは利用料のことです。例えば有償の画像提供サイトでは、1枚の画像をWEBサイトに掲載するためには、5万円や10万円の利用料がかかります。WEBサイトの閲覧数に応じて、利用料金が高くなる場合もあります。

一般的に「フリー素材」が示す「フリー」とは、「ロイヤリティフリー」という意味で使われています。つまり利用料金が無料という意味です。

制作会社へ依頼した際はどうなる?

会社案内・パンフレットやWEB制作会社では、フリー素材と有償素材のどちらにも対応できます。また、場合によっては必要に応じて撮影を行い、必要な素材を用意するということもあります。

フリー素材を使っている場合は権利をクリアしているか確認

制作会社に依頼する際、まずはフリー素材を取り扱っているかどうか確認を行いましょう。もし使っている場合は利用規約について確認します。使い方に違反がないか、規約の理解に間違いがないかといった点について話し合いをしておくと安心です。

また、権利をよく確認せずに検索して見つけた画像を使ってしまう「拾い画」という行為が問題になることがあります。

「拾い画」を制作物に使うことは、他人の著作物が持つ権利を侵害する行為です。会社案内・パンフレット・WEBサイトの制作では絶対に「拾い画」は行わないようにしましょう。

素材提供会社と契約している場合もある

会社案内・パンフレットやWEB制作会社によっては、頻繁に画像素材を利用しています。その場合、素材提供会社と契約していることがあります。

提携している素材提供会社がある場合、制作会社は利用条件をよく把握しているので、安心して画像を掲載できます。

オリジナル素材を使える場合もある

会社案内・パンフレットをよく作る制作会社はカメラマンと提携している場合があります。無償と有償を問わず、提供されている画像では、会社の雰囲気やイメージを表現することに限界があります。カメラマンに撮影してもらったオリジナル写真を使うことで、より丁寧に会社や事業について説明する制作物に仕上げられます。

特に自社の製品紹介や社内の雰囲気を伝える際には、プロのカメラマンの力を借りるのが安心です。多少の予算がかかる場合であっても、積極的にオリジナルの素材を使っていきましょう。

まとめ

フリー素材は低予算での会社案内・パンフレット制作、WEBサイト制作を助けてくれる心強い存在です。

しかし利用規約をよく理解して使わないと、大きな損害につながったり、思わぬ費用が請求されたりといったアクシデントが発生してしまいます。

フリー素材は名前の響きから誤解されがちですが「著作権がフリーな素材」ではありません。あくまでも「利用料がフリーな素材」です。利用する条件に間違いがないように、よく確認して健全な会社案内・パンフレット、WEBサイトを作りましょう。