動画制作に必要な料金相場に、疑念を感じた事はありませんか?
実際、動画制作はパンフレットや写真撮影とは比較にならないほどの料金が必要です。また、料金幅も30万円~1,000万円超と幅広く、見積もりを見ても素人には判断が付かないのが実情だと言えます。
そこで今回は、動画制作に必要な料金相場を解説し、その内訳を明らかにしようと思います。
目次
動画制作の料金内訳は?
動画制作に必要な料金内訳は、主に以下の項目に分類されます。
- ①人件費:制作企画費、演出費(プロデューサー等)、演者費(モデル等)、撮影人件費(カメラマン等)
- ②撮影費:撮影機材費用、照明費用、ロケ費用等
- ③編集費:仮編集~本編集費用(CG制作、音楽、MA等)
- ④納品費:データ変換、DVD制作等
動画制作の料金が高くなってしまう理由は、制作のためにこれだけのコストが必要だからです。見積もり時に全て確認できれば良いのですが、中には概算見積もりで詳細の記載を省く制作会社も少なくありません。
続けて、それぞれの料金の個別的項目を紹介しますので、参考にしていただければと思います。
①人件費の内訳は?
動画制作は、画像や写真とは比べものにならないほどの人手が必要です。
当然、人件費は必要料金に強く反映され、最も大きなウェイトを占めています。基本的に長く大規模な動画になるほど、人件費は大きく上昇します。
そんな動画制作における人件費は、大きく分けて以下の通りです。
- 制作企画費用
- 演出費
- 演者費
- 制作人件費
制作企画費
制作企画費は、動画の「全体的な方向性」を定めるために必要な料金です。
動画制作のプロであるプランナーが、クライアントの目的に沿い、「場所やヒト、ストーリー」の提案を行います。
制作企画費は、制作する動画の長さにより変動します。料金相場は概ね下記の通りです。
- SNS向けの動画(15秒~30秒):5万円~
- オウンドメディア向け動画(1分以上):10万円~
演出費
演出費は主にプロデューサーにかかる費用のことで、プロデューサーとは作成された企画をどのように実現するかを定める人です。
- どんな人を使うべきか?
- ロケ地はどこにすべきか?
- 大道具や小道具は何を使うか?
などなど、動画の企画や予算に従い、細かい内容を定めます。
料金相場は作業時間だけでなく、状況や要求により当然変動します。
- プロデューサー:10万円~
演者費と制作人件費
出演者やカメラマン、演出や照明にアシスタントなどの人件費も必要です。
動画制作の現場では、彼らの人件費は「日単位」が基本。例えばカメラマン1日/5万円~10万円など、制作に必要な起用日数で定まります。
動画制作に必要な人の手は、一般の方が考えている以上に膨大です。
また出演者やカメラマンの他に
- 照明担当、アシスタント
- 音楽や録音担当
- メイク、スタイリスト
などがケースにより必要になり、彼らの人件費も無視できません。
②撮影費の内訳は?
撮影費は、動画制作に必要な場所や機材に係るコストです。
無論、小規模な撮影であれば、カメラマンや制作事務所が必要機材を揃えています。しかし、本格的な撮影となると、高額な機材を使うことも。
これらは基本的にレンタルとなるため、撮影費として反映されます。
撮影費の代表的な内訳
- 撮影機材:カメラや三脚、レンズ、ドーリー等
- 照明機材:大小各種照明、複数組み合わせる
- ロケ地:ロケ地を確保するために必要な費用
- スタジオ費:スタジオ撮影に必要な費用
- 美術費:撮影道具の制作に必要な材料費
- CG費:CGを挿入する場合に必要な費用
なお、撮影費はこれらが全てではなく、必要に応じてその他の費用も求められます。
また、逆に「CGを使わない」、「音楽は既存のものを使う」など工夫することで、個別の価格項目を抑えることも可能です。
このあたりは予算に応じて、制作会社と相談し、綿密な打ち合わせを行いましょう。
③編集費の内訳は?
編集費は、加工・繋げるために必要な費用です。
動画編集は概ね以下の3つのプロットに分類され、必要な料金相場は各プロットにより変動します。
動画編集の制作プロットと料金相場
- 仮編集:撮影した動画をつなげ、まとめる(5万円~)
- 本編集:色味やエフェクトを加え、最終調整(10万円~)
- MA:ナレーションや音楽・効果音のバランス調整(3万円~)
1回の撮影で複数メディア向け動画も作れる
撮影した動画は編集を通じて、各メディア向けに最適化されます。
複数メディア向けに動画を制作したい場合は、この段階で動画の長さや構成を調整することで、
- 3分~5分のオウンドメディア向け動画
- 15秒~30秒のSNS向け動画
- 10分超の主催カンファレンス向け動画
などなど、配信先に応じたメディア構成への加工が可能です。
④納品費の内訳は?
納品するまでにかかる必要経費のことで、納品形式にもいくつかあります。
例えば、オンラインでの配信用などの場合は、ファイルを作成し納品用にCDなどにデータを焼いて完成。
このようにの動画をどのように利用するかにとって納品形式が異なってきます。
一般的に納品する際にかかる費用としては、マスターデータの制作。
DVDやブルーレイなどのメディア代、DVDなどのパッケージのデザイン費・プリント費などが計上されます。また、最終的な納品データや撮影したデータを保存・管理しておく「管理費」も必要になる場合もあります。
合計の制作費用は?
それで最後に、各メディア向け動画の制作相場をご紹介しようと思います。
ただし、実際の相場はキャストや構成の影響を受けるため、あくまで目安程度にお考えいただければと思います。
会社案内や採用向け動画(30秒~3分程度):50万円~120万円
会社案内や採用説明会で挿入する動画です。
会社案内や採用説明会に訪れる人は自社に対してある程度の関心を寄せているため、多少長めの動画を用います。
表現のポイントとしては、
- インタビューを多用して自社の様子を表現
- アニメーションやCGを利用して自社ブランドを訴求
- 座談会やカンファレンスの様子を撮影して社風を表現
このように、企業イメージや求める人材、事業内容などを様々な方法で表現します。
基本的に実写がメインです。しかし、必要に応じてアニメーションを挿入することで、導入部分をよりソフトに仕上げる場合も見られます。
SNSなどにおける商品CM・拡散向け動画(15秒~30秒程度):20万円~50万円
SNS配信向けの動画では、とにかく短くまとめることが重要です。
ユーザーはスマートフォンによる閲覧がメインなので、長時間動画はどうしても忌避される傾向にあります。
特に拡散動画では、短時間でまとめるだけでは不十分。思わずシェアしたくなる、強烈なインパクト獲得する必要があるため、
- つい最後まで閲覧してしまう魅力的な企画構成
- 誰もが関心を寄せるキャスティング
などが、求められます。
商品ユーザー層とマッチングするモデルやYouTuberを採用することで、多くの拡散効果が見込めます。
展示会向け動画(30秒~):30万円~100万円
展示会では「いかにお客さんの目に止まるか?」が重要です。
多くの企業が参集する展示会では、短い時間で効果的なアピールを行うことが求められるため、
- CGやアニメを多用して関心を引く
- 企業の歴史や経営理念を紹介して同意を得る
- 動画と資料で情報分担させ、多様な訴求を行う
などの工夫を行います。
まとめ
動画撮影の必要料金相場は、作成動画の長さや本格度により変動します。
必要コストの内訳は大きく分けて、人件費、撮影費、編集費と分類されますが、キャストや機材によるコスト調整も可能です。
また、動画はその目的により、適切な訴求方法が異なります。限られた予算で最大限の効果を得るためには、企画制作から撮影まで豊富な実績を持つ制作会社の起用が要です。