WEBコンテンツにおける動画の視聴率を上げるためには、「長さ」が重要です。
とりわけ、視聴時間を意識するなら「短くまとめる」ことが重要課題。多くのウェブサイトが大量のコンテンツを発信する現代社会では、欠かせないポイントです。
今回は、「動画の長さ」がユーザーどのような影響を与えるのか。そして各メディアにとって最適解となる「動画の長さ」は何秒か。
可能な限り「見える化」してお伝えしようと思います。
目次
WEBマーケティングで利用する動画の長さに適切な長さはどれくらいか?
WEBマーケティングを狙った動画は「短くする」ことが大切です。
まずはデータでチェックしましょう。世界的に有名な動画マーケティング企業の「Wista社」では、次のようなグラフを公開しています。
このグラフは、「視聴者のうち何%が動画を最後まで見ているか?」を、動画の長さ別に分析したデータです。
グラフによると、「長さ1分以内」の動画は約6割程度のユーザーが最後まで視聴しているのに対して、「長さ2分~3分」のものは約4割程度で推移。1時間以上もの動画時間を最後まで見た人は、1割もいないことがわかります。
また、全体的に動画が長時間化するほどに視聴割合が落ち込み、長い動画ほど閲覧してすぐに「Uターン」される傾向にあることも特徴です。
つまり、WEBコンテンツでの動画は「短いほど有利」だと言えます。
長い動画ほど制作コストが上昇することも考えると、安定的な費用対効果を狙ったものを作る場合、「3分以内」に留めるのがオススメです。
どうして短い動画が好まれる?
では、どうして短い動画が好まれるのでしょうか。
これは、「短い時間で大量のコンテンツを消費する現代社会」が背景事情として影響を与えていると考えます。
つまり、ECサイトやSNSが常に新しい情報を発信し続ける現代社会において、尺の長い動画は「大量の時間を消費する」と受け取られ、ユーザーから忌避される傾向にあるようです。
このようなマーケティング情報を度外視して長時間動画を作成しても、投資額に見合った成果は期待できません。
☆動画の長さに関するポイントまとめ
・ 動画が最後まで視聴される確率は「長い動画」ほど下がる
・ 長い動画ほど、すぐに「Uターン」される
・ コスパを重視するなら「3分以内の動画」を制作する
目的や利用するメディア(プラットフォーム)によって異なる
コンテンツにとって最適解となる動画の長さは、発信するメディアの種類や動画の目的によっても異なります。
例えば、アーンドメディア (SNS)とオウンドメディア(自社コンテンツ)では、「オウンドメディアの方に長い動画を割当てる」のが基本です。
これは、自社サイトを訪れる人物が、偶然SNSで自社コンテンツに触れた人と比べて、自社商品に関心を持っている確率が高いからです。
つまり、サイト訪問者は「自社の情報」を欲しているのであり、動画の長さも内容も「より充実したもの」であることが求められます。
実際に企業が自社のWEBコンテンツに動画を落とし込む場合、これらの性質も考慮して、長さや内容を決定しなくてはいけません。
それでは次項以降にて、各メディアの具体的なオススメ動画時間を解説しようと思います。
アーンドメディア(SNS)では?
SNSなどのアーンドメディアでは、全体的に「30秒~1分」程度の長さが好まれます。
ただし、メディアごとにユーザーの嗜好性が異なりますから、実際には「掲載するSNS」により調整する配慮が必要です。
SNSは多くのメディアの中でも、巨大な影響力を持つコンテンツ。動画制作時に最も力を入れたい部分です。
インスタグラムでは?
インスタグラムは「30秒程度」の動画が、特に好まれやすい長さです。
これは後述の「Twitter」や「YouTube」と比べても短くなりますが、もともとインスタグラムは動画や写真の閲覧を前提としたコンテンツ。
ユーザーも「YouTube」と比べ、短時間かつ高頻度で消費する傾向にあると考えられます。
Twitterでは?
日本国内では最大手シェアを誇るTwitterでは、「30秒~45秒」程度の動画が好まれます。
Twitterは短文のメッセージを反復継続的に扱うコンテンツ。動画も尺の長いものを発信するより、短いものが向いています。
Facebookでは?
Facebookでは、「45秒~1分」程度の動画が好ましいです。
「Facebookは、Twitterと同じようなものでは?」とお考えの方もいるかと思いますが、FacebookはTwitterと比べると投稿文字数が多く「420文字」。
ユーザーも1つ1つのコンテンツに相応の時間をかけるため、やや長めの再生時間を意識すべきでしょう。
YouTubeでは?
YouTubeでの発信を行う場合、「2分~3分程度」の動画をオススメします。
当然これは、他のSNSと比べるとかなり長い動画です。しかし、YouTubeは「PC環境での動画閲覧」を前提としていたため、YouTubeのユーザーもある程度の長さを有した動画を好みます。
オウンドメディアでは?
オウンドメディアはサイト来訪者に対して、「自社や自社商品の魅力をより深く伝える」必要があるため、エンゲージメント(来訪者の合計視聴時間)が重要です。
具体的な動画の長さは業種や商品によって異なるため一概に言えない部分もありますが、「SNSと比べて長時間の動画」が求められています。
〇 数分単位の動画を複数掲載し、切り分けて紹介する
〇 45分を超える長い動画を制作し、関心度の強いユーザー閲覧を期待する
オウンドメディアに関しては、特にサイトコンセプトや商品の性質に従い、様々な訴求方法を考慮する必要があるでしょう。
場合によっては専門家の意見や分析結果を参考にするのも1つの手です。
パソコンかスマートフォンか?
パソコンやスマートフォンなど、来訪者の使用端末も重要です。
一般的にスマートフォンユーザーと比べてパソコンユーザーの方が長時間動画を好んで閲覧する傾向にあるため、オウンドメディアでは来訪者の想定使用端末を分析することも重要な意味を持ってきます。
逆に、スマートフォンユーザーに対するアプローチは、「5秒~10秒」程度の短い動画であっても、高い効果が期待できます。
自社サービスがスマートフォンユーザーに人気があると判断できる場合、敢えて通常よりも短い長さの動画を制作するのも有効です。
まとめ
WEBコンテンツの動画の長さは、基本的に「短いもの」を選択し、「長すぎる」ものは避けることが大切です。
ただし、一概に「短いほど良い」とは言い切れず、実際に運用する場合は掲載メディアや目的に従って、適切なものを選択するよう心がけましょう。
一般的には、動画の長さは「アーンドメディア<オウンドメディア」で制作するスタンスが無難です。
また、広告的な位置付けであるSNSと、来訪者に営業を行う自社コンテンツの役割の振り合いを考慮し、バランスよく設定する姿勢が求められています。