たくさんの企業が集まる展示会で、効果的な会社案内やパンフレットを配布するには、こだわりが必要です。では、どのようなことにこだわりを持つと良いのでしょうか?
それは、受け取った人に強い印象を残すためデザイン作りをすることです。難しく考える必要はありません。いくつかのコツを理解することで、印象に残る配布物を制作することができます。
ここでは、展示会で印象に残るための会社案内のパンフレット制作方法について紹介していきます。
目次
展示会・説明会でのパンフレットの役割
イベントで配布するパンフレットに最も重要なのは、”わかりやすいこと”です。自社がどのようなサービスや製品を提供している会社であるか、数カ月後に思い出してもらえるようなわかりやすさです。
その理由は、展示会や説明会にたくさんの情報が溢れているためです。複数の展示ブースの記憶と持ち帰った資料の社名と事業内容を一致させることは簡単ではないでしょう。
イベントに足を運ぶ人達の多くは、個別の企業の情報よりも業界全体の最新情報を集めている場合が多いと考えられます。そのため、圧倒的に優れた製品やサービスを提供している場合をのぞいて、長期にわたり記憶に残ることは難しいことなのです。必要になったときに思い出してもらうために、印象に残るパンフレットを用意することが大切になります。
印象に残るパンフレットに欠かせないポイント
印象に残るパンフレットを制作しておくことで、必要に応じて思い出してもらうことができます。例えば、動画配信システムを提供している企業があったとしましょう。その企業が「ECサイトの売上を向上する動画マーケティングを支援します」と具体的なキャッチコピーを盛り込んだパンフレットを配布していたとします。そうすると、「自社の通販売上を増やしたいけれど、どうしたらいいだろうか」といった状況で思い出してもらいやすくなるのです。
思い出す人は、パンフレットを受け取った人物かもしれませんし、展示会には参加していないけれど資料(パンフレット)を読んだ社員かもしれません。パンフレットさえきちんと制作しておけば、展示会に訪れていない人にも自社のPRができる場合もあるのです。
ここからは印象に残るためのポイントを確認していきます。
表紙のデザインにこだわる
表紙は、利用者が求める情報をひと目でわかるようにします。自社が提供しているサービス・製品がどのようなもので、特徴は何であるかを提示しましょう。
そのためには、洗練されたキャッチコピー、目に止まりやすいデザインが求められます。パンフレットの第一印象を決めるのは表紙です。こだわり抜いた伝わりやすい表紙作りを心がけましょう。
商品・サービスの利用シーンを想像させる内容
自社の製品やサービスは、どのような場面で役立つのか、わかりやすく説明します。
まとめる際のコツは「利用者の悩み」と「その悩みを解決できる理由」を説明することです。
たとえば、できるだけ早く英語翻訳を依頼したいと思っている利用者がいると想定している場合、「納期を重視したスピード翻訳に対応」と伝えると効果があります。パンフレットに目を通した人が、自社の提供している製品やサービスがどのような課題を解決するのか、想像しやすくしましょう。
自社の強みをアピール
自社が得意としていることを強調します。例えば、「鉄片探知器や検針器の製造販売」では、他社との違いがわかりづらいです。それよりも「アパレル製品をのせるだけで簡単に検針できるコンベアタイプの検針機」のように、他の企業と明らかに異なる特徴を提示すると印象に残りやすくなります。
複数の会社と検証してはじめてわかる違いよりも、パッと見ただけでわかる違いをアピールしましょう。
できる限りシンプルに(あまり文字を多くしない)
文字の情報を掲載しすぎないように意識してください。サービスや製品について余すことなく記述したくなってしまうかもしれません。ですが、パンフレットはあくまでも導入部分です。購入や申し込みを決定するケースは少ないでしょう。
パンフレットは、企業に興味を持ってもらい、販売へつなげるための入口です。情報をパンフレット内で完結せず、問い合わせに誘導するように工夫します。一例として、製品内容は概要にとどめて、詳細はWebや電話にて説明するという方法があります。
印象に残るパンフレット事例
ここでは、印象に残りやすいパンフレットの実例を紹介します。多様な業界のパンフレットですが、わかりやすさの原則は変わりません。利用者に対して、自社の良さがよく伝わるデザインになっていることがポイントです。
ノマ電気株式会社
電子部品、アッセンブリ、ECOソリューション、という3つの事業を視覚的に分けることで、一目で事業の特徴がわかるデザインです。エレクトロニクスと地球が一体となったイメージ写真を掲載することで、未来へ進んでいる印象を与えるように仕上がっています。
〈参照〉デザイン実績/ファインプロス
HI-LINE22株式会社
車のガラスに発生したウロコ(水垢)やキズを研磨で再生する技術を教えることをアピールしたパンフレットです。他のスクールでは学ぶことができない特殊な技術であることを「秘技伝承」というシンプルなキャッチコピーで強調しています。
〈参照〉デザイン実績/ファインプロス
株式会社メガリンク
株式会社メガリンクの採用案内パンフレットでは、求人を探している人との価値観をうまくすり合わせています。洗練された職場風景を活用したデザインで、ECサイト構築・運用といったWEB周辺事業らしい最先端のイメージを演出しています。キャッチコピーに”私たちの「挑戦」が、WEBの「未来」をつくる。”というフレーズを置くことで、求人応募を検討している人と適切にマッチングできるように仕上がっています。
〈参照〉デザイン実績/ファインプロス
印象に残るパンフレットの制作方法と注意点
パンフレットを実際に制作するにあたり、最初にぶつかる壁は”誰に頼むか”ということです。
選択肢は主に2つあります。1つは自社の社員に依頼すること。もう1つは制作会社に依頼することです。それぞれにメリットとデメリットがあるので確認しておきましょう。
自社で行う
自社でパンフレットを制作する場合、細かい部分までこだわりじっくりと作ることができます。外部に委託する場合よりも社風や事業内容をよく理解しているので、必要に応じて詳細な情報を盛り込むことができます。
その反面、社内でのパンフレット作りには、制作コストがかかるというデメリットがあります。社員のほとんどは、パンフレット制作を専門としているわけではないでしょう。そのため、デザインを形にしたり規定のページ数に必要な情報をまとめたりするのに時間がかかり、結果的に制作コストが高く付きやすい傾向にあります。また、コストだけでなく、仕上がりに問題が発生する場合があるので注意しましょう。パンフレット特有の文字数やデザインに慣れていないデザイナーが担当してしまうと、伝えるべき内容が適切に伝えられないことがあるのです。
制作会社に依頼する
パンフレット制作の専門会社に依頼する場合、相応の予算が必要になります。また、初めて制作会社と取り引きする場合、きちんと伝わるパンフレットを制作できるか不安になる場合もあるでしょう。
制作会社を選ぶ際の基準は主に3つあります。
制作実績
1つ目は制作実績です。一般的に制作会社は過去の制作事例を自社のWebサイトに掲載しています。制作実績は、自社が求めるクオリティを表現するのに十分な技術力を備えている制作会社か判断する際に役立ちます。
専門性
2つ目に専門性です。制作会社には、専門領域の得手不得手があります。個人向けビジネスのパンフレット制作が得意な会社がある一方で、法人向けビジネスのパンフレット制作を得意とする企業もあるでしょう。どのような領域のパンフレット制作を得意としているか確認しておきます。
価格
3つ目に価格です。パンフレット制作はページ数や使用する紙質、印刷部数などによって変化します。価格設定は制作会社により大きく異なります。自社の予算に見合った制作会社を選びましょう。
まとめ
展示会で配布する際の会社案内・パンフレット制作は、印象に残る伝わりやすいデザインであることが重要です。たくさんの企業が配布している資料に埋もれてしまっても、必要なときに思い出してもらわなくてはいけません。そのためには、シンプルで企業の特徴がわかりやすい「印象に残るパンフレット」を意識して制作しましょう。
パンフレット制作を発注する際には、「制作実績」「専門性」「価格」といった観点から、適切な制作会社を選ぶことをおすすめします。